【旅するデザイン-オープンデザインの可能性-】at FLAT SENDAI part2
2013.10.12(土)、10.13(日)の2日間 「オープンデザインの可能性 」を探るプロジェクト型ワークショップ、
オープンデザインで作るオリジナル本革スリッパ」 at FabLab 仙台の2日目のレポートです。
【2日目に完成したスリッパのご紹介】
●ワニのスリッパ
事前にモックアップをつくり、サイズ感を試しながら何度もデータの調整を行ってくださっていました。
「家の中でワニを飼ったら面白いかも」と思い、目鼻や鱗を彫って、ギザギザの歯を刺繍で表しています。
歯の部分は、レーザーであけた穴と手で追加した穴の2種類をそれぞれ縫い上げることで
スリッパの形を美しくキープする強度も出るということがわかりました。
実際に完成したスリッパの甲の形が面長のワニの顔みたいに見え、
お家に帰って、玄関で見ると癒されるデザインになっていたと、おっしゃっていました。
●レースのスリッパ
スリッパのサイズは何度も調整を娘さんと一緒にしてくださっていました。
クルスカのモデルをベースに、レーザーカッターで切り出し後、
ご自分の裁縫セットとレースを持ち込んで、クラフトでつくることを楽しまれてました。
スリッパのアッパー部分に糸で留めつけて、かわいらしいデザインに仕上がりました。
穴あけがレーザカッターでさえていることから縫いやすいという声もいただきました。
デジタルとクラフトの良さが出ていると思います。
●編み目のデザイン
四角をたくさん描いてから、かたちを変形しながらつなげていって、
独特の網目模様のデザインを開発されていました。。一見、パターンがあるように見えて、
ひとつひとつバランスをとりながら手作業でつくられたとのことです。
2日間のワークショップの内、最短で仕上げの工程まで進んでいく姿が印象的でした。
仕上げの工程で、バラバラのパーツの革をひとつになるよう丁寧に磨いてくださいました。
●カシミアのスリッパ
今回、仙台のワークショップ用に用意した革の中で、ゴート(山羊)の革がありました。
当日お越しいただいてからデザインをスタートされたのですが、
山羊のイラストをその場で描いてスリッパにのせるというスピード感のあるものづくり
をとても楽しそうにされていたのが印象的でした。ご自分の個展でも飾ろうかなと話されていたので
その後の行方も楽しみな1足です。
2日間のワークショップをふりかえって
鎌倉、仙台とワークショップを通して感じたことは、デザインの地域性も今後見えてくるかもしれないということです。
仙台では、事前にモックアップをつくり「自分のサイズ」に合うことを大切にしている方が多かったです。
「ベースのデザインがあったことで、アイデアを実現しやすかった」という声も多くいただきました。
デザインを初めてしたという方も多い中で、具体的なコンセプトや課題解決の方法を
デザインしていることが素晴らしいと感じました。
レーザーカッターを使用して簡単に作れることを前提に更に刺繍を加えたり、
他の素材を組み合わせたり、サイズにこだわったりと自分で考えたアイデアをデザインするチカラにも感動しました。
旅するデザインの今後
「旅するデザイン」は思いがけず、デザイナー本人が各地へ出かけ、
参加してくださる方と一緒につくる時間となっています。
データはインターネットで届けることができます。
そして、その先には顔と顔を合わせて「つくりかた」を共有していくことで、
顔が見える「ものづくり」へと変化しています。
回数を重ねることで、こんなことも出来るんだというアイデアがもっともっと広がって
どんどん新しいデザインが生まれてくること自体がこのプロジェクトの面白さでもあるので、
これからも色んなところで開催して行きたいと思っています。
このプロジェクトから新たなプロダクトが生まれていくこともあるかもしれません。
クルスカもスリッパ以外のオープンデータを少しずつ用意していきたいと思っています。
クルスカのオープンデザインのプロジェクトに興味をお持ちいただけた方、
開催したいと思われた方は、お気軽にご連絡いただければ幸いです。
レーザーの使用についてや、データのやりとりなどはご相談させていただきます。
次回は「広島」での開催を予定しています!引き続きよろしくお願いします。
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